Skills と SubAgent、
混ぜないで使う。
Claude Code や Codex を使い始めると、必ず Skills と SubAgent の使い分けでつまずく。「Skill にすればいいのか、SubAgent に任せればいいのか」という迷いだ。
結論はシンプル。Skill は再利用する手順、SubAgent は分担する作業者。 片方だけ使う・両方ごちゃ混ぜに使う、のどちらも運用が重くなる。本記事では @kawai_design 氏の整理を、表とチェックリストで噛み砕く。
5つの仕組みの役割(早見表)
Claude Code・Codex で使う仕組みは、大きく分けて5つ。それぞれ別の役割を持っている。
| 仕組み | いつ使うか | 例えると |
|---|---|---|
| CLAUDE.md (AGENTS.md) |
常時守らせたいルール。文体・命名規則・セキュリティ方針など、毎回適用すべき内容 | 会社の憲法 |
| Skills | 何度も繰り返す手順。記事執筆・PR レビュー・議事録整形など、形式が決まった作業 | 業務マニュアル |
| SubAgent | 並列で進めたい調査。コード探索・ログ解析・複数観点のレビューなど、ノイズが多い作業 | 専門担当者 |
| MCP | 外部システムとの接続。Notion・Slack・社内 API など、外と繋ぐ必要がある作業 | 外線電話 |
| Hooks | 決まったタイミングで自動処理。コミット時・セッション開始時など、トリガーが固定されている作業 | 自動実行装置 |
この5つを混ぜずに仕分けるだけで、プロンプトが短くなり、メイン会話が情報まみれになりにくくなる。
Skill にすべきか、SubAgent にすべきか
迷ったときの判断条件はシンプル。それぞれ次の特徴があれば、その仕組みが向いている。
Skill にすべき作業(3つの条件)
- 作業手順が毎回ほぼ同じ(記事構成・レビュー基準・出力フォーマット等)
- 参照ファイルやテンプレートがある(差し込みたい定型文・図解パターン)
- 出力形式を固定したい(タイトル文字数・箇条書きルール等)
SubAgent にすべき作業(4つの条件)
- 並列化できる(観点A・観点B・観点C を同時に調べたい)
- 調査ログが多い(メイン会話に流すと判断材料が埋もれる)
- 専門観点が分かれる(セキュリティ / テスト / 保守性など別軸)
- 判断材料だけ返してほしい(中間ログは不要、結論だけ欲しい)
1回しか使わない作業を Skill 化しない。Skill は増やすほど誤発火リスクが上がるので、ROI が低いものは作らない。次の一手がその結果に完全依存する作業は SubAgent にしない。メインで処理した方が速い。
なぜ「混ぜないで」なのか
Skills と SubAgent を混同すると、こんな失敗が起きる。
毎回守る文体ルールを Skill に入れる →Skill が発火しない場面で文体が崩れる。 note 執筆のような成果物別ワークフローを CLAUDE.md に全部入れる →常時 context を圧迫する。
Codex 公式が context pollution(会話が情報まみれになって判断が鈍る現象) と呼ぶ問題が起きやすくなる。 探索ログ・スタックトレース・テスト出力でメイン会話が汚れると、後半の判断品質が落ちる。
SubAgent はこのノイズを別スレッドに逃がし、要約だけメインに戻す装置。混ぜずに使い分けることで、AIが本来の判断力を発揮できる。
最強の組み合わせ「Skill × SubAgent」
そのうえで、両者を組み合わせると効果が跳ね上がる。 Skill で仕事の型を定義し、SubAgent で実行を分ける 形だ。
例:PR レビューの場合
code-review Skill を作る
レビュー基準・出力形式・禁止事項を SKILL.md に書く。これで「何を」「どう」レビューするかが固定される。
SubAgent を3つに分ける
security 担当・test gap 担当・maintainability 担当。それぞれ別 context で並列に調査する。
main agent で集約
3つの結果を受け取り、重要度順にまとめる。レビュー基準は毎回同じ、調査だけ並列化される。
Claude Code と Codex で異なる点
同じ「Skills」「SubAgent」という言葉でも、Claude Code と Codex で動きが違う。
| Claude Code | Codex | |
|---|---|---|
| Skills | description が一致すると 自律的に発火(model-invoked) | 明示起動と暗黙起動の両方。description だけ先読みして context 節約 |
| SubAgent | 説明文と一致すれば 自動委任。/agents で project / user 単位で作成 |
明示依頼が基本。「並列で2つ動かして」と頼まないと spawn しない |
つまり Claude Code は「気の利く部下」型、Codex は「明示的に頼まないと動かない」型。同じ概念でも運用感覚が違うので、両方使う場合は意識して切り替える必要がある。
今日から見直す4ファイル
記事末尾の実践的アドバイス。既存の指示を以下の4種類に仕分けるだけで、運用がスッキリする。
仕分けるファイル
- CLAUDE.md / AGENTS.md — 常時ルール(会社の憲法)
- skills/SKILL.md — 成果物ごとの手順(業務マニュアル)
- agents/カスタムエージェント設定 — 専門担当の人格と権限
- MCP / hooks 設定 — 外部接続と自動実行
この整理ができると、プロンプトが短くなる。メイン会話も汚れにくくなる。
結びの一言
Claude Code や Codex を使う目的は「AIに詳しくなること」ではなく、仕事の再現性を上げ、作業時間を減らし、判断を速くすること。そのための最小構成が、5つの仕組みを混ぜないで使うこと。増やすだけでなく、削る判断ができるようになるのが、この整理の最大の価値。